2018/08/14 18:15:00
  • 【非正規労働者の権利実現全国会議】Q.10月で雇い止め。すぐに失業給付を受けたいのですが…?

※配信を希望されない方は、メール末尾の案
内をご覧ください。

目次************
(A)寄せられたご相談に回答しました
(B)派遣労働者の皆様へのアンケート・ネッ
ト相談の実施中
(C)非正規会議では会員を募集しております
******************

(A)寄せられたご相談に回答しました

【質問】
2018年10月31日が抵触日ですが、5月になって
10月末で終了と告げられました。理由は予算
がないとのことです。

法律によって契約が終了となるのであれば、
せめて失業給付をすぐに受けたいです。派遣
会社に伝えたところ、他の派遣先がきっと見
つかるので自己都合扱いとなり、3ヶ月の待機
期間が発生すると言われました。これは不可
能なのでしょうか?

【回答】
1 退職理由の種別により生じる各種差異につ
いて

会社をどのような理由で退職することになっ
たか、その辞め方あるいは辞めさせられ方によ
って、いつから受給できるか(3か月の給付制
限の有無)、いくら受給できるか(受給金額)、
或いはいつまで受給できるか(受給期間)に
関して、概略、次に述べるような違いが生じ
ます。

まず、前提として、退職理由による種類を整
理すると次のとおりです。会社都合で退職し
た場合は、(1)「特定受給資格者」となります。

一方、自己都合の場合、(2)「自己都合退職者」
(一般受給資格者)と(3)「特定理由離職者」
に分けられます。この内、特定理由離職者と
は、特定の理由(正当な理由)があって退職
したものと認められる場合であり、「特定理
由離職者1・2」の2種類があります。

これらの違いによりどのような差異が生じる
かを見ますと、まず、「自己都合退職」の場
合は、雇用保険の手続きをした後に3か月待た
ないと失業給付を受け取ることができません
が、「特定受給資格者」と「特定理由離職者」
については、3ヶ月の給付制限はなく、すぐに
受け取ることができます。

また、「特定受給資格者」と「特定理由離職
者1」については、所定給付日数も優遇されて
います(後述する、「労働契約期間が満了し、
かつ次の更新がないことにより退職(更新を
希望したが更新できなかった場合)した」と
認められる場合には、「特定理由離職者1」に
該当します)。

このように「特定受給資格者」や「特定理由
離職者1」が優遇される理由は、これらの場合、
会社を辞める準備ができないままに仕事を失
ったという場合といえるからです。

これに対して、自己都合退職の場合は、自分で
退職日を決めて、あらかじめ準備をした上で
会社を辞めることができるとの想定から、
失業保険の支給内容に差が設けられているも
のです。

参考までに、それぞれの根拠条文を挙げると、
特定受給資格者の定義については雇用保険法
23条2項に規定されており、特定理由離職者の
定義については同法13条3項に規定されていま
す。

そして、雇用保険法附則4条は、暫定措置
として、雇用保険法13条3項の特定理由離職者
であつて、受給資格に係る離職の日が平成21
年3月31日から平成34年3月31日までの間であ
るものに係る基本手当の支給については、当
該特定理由離職者を特定受給資格者とみなす
旨規定しています。

2 特定受給資格者及び特定理由離職者の判断
基準について

この特定受給資格者あるいは特定理由離職
者にどのような場合に該当するか、という点
については、厚労省が示している「特定受給
資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」
を参照するのが便宜です。

(1)特定受給資格者の判断基準
 有期雇用契約の場合に関して、この判断基
準がどのような場合に「特定受給資格者」に
該当すると規定しているかというと、この基
準の「特定受有資格者の範囲」の II に、「(7)
期間の定めのある労働契約の更新によリ3年
以上引き続き雇用されるに至った場合におい
て当該労働契約が更新されないこととなった
ことにより離職した者」及び「(8)期間の定
めのある労働契約の締結に際し当該労働契約
が更新されることが明示された場合において
当該労働契約が更新されないこととなったこ
とにより離職した者(上記(7)に該当する者を
除く)」と規定しています。

より具体的には、この(7)に当たる場合とは、
期間の定めがある労働契約が更新され、雇用
された時点から継続して3年以上雇用されて
いる場合であり、かつ、労働契約の更新を労
働者が希望していたにもかかわらず、契約更
新がなされなかった場合に離職した場合がこ
れに該当するとされています。

また、この(8)に当たる場合とは、期間の定
めのある労働契約の締結に際し、当該契約の
更新又は延長を行う旨が雇入通知書等により
明示されている場合(労使で契約を更新又は
延長することについて確約がある場合)であ
り、かつ、労働契約の更新を労働者が希望し
ていたにもかかわらず、契約更新がなされな
かった場合に離職した場合が該当するとされ
ています。

なお、労働契約において、契約更新条項が
「契約を更新する場合がある」とされている
場合など、契約更新に条件が付されていると
きは、ここでいう契約更新の明示(契約更新
の確約)があるとは言えず、この基準に該当
しないとされています。

(2)特定理由離職者の判断基準
また、有期雇用契約の場合に関して、この
判断基準がどのような場合に「特定理由離職
者」に該当すると規定しているかというと、
この基準の「特定理由離職者の範囲」の I に、
「期間の定めのある労働契約の期間が満了し、
かつ、当該労働契約の更新がないことにより
離職した者(その者が当該更新を希望したに
もかかわらず、当該更新についての合意が成
立するに至らなかった場合に限る)(上記
「特定受 給資格者の範囲」の II の(7)又は
(8)に該当する場合を除く)(※)

(※)労働契約において、契約更新条項が
「契約を更新する場合がある」とされている
場合など、契約の更新について明示はあるが
契約更新の確約まではない場合がこの基準に
該当します」と規定しています。

より具体的には、期間の定めのある労働契約
について、当該労働契約の更新又は延長があ
ることは明示されているが更新又は延長する
ことの確約まではない場合(すなわち、労働
契約において、「契約を更新する(しない)
場合がある」、「○○○の場合は契約を更新
する」など、契約の更新について明示はある
が、契約更新の確約まではない場合)であ
って、かつ、労働者本人が契約期間満了日ま
でに当該契約の更新又は延長を申し出たにも
かかわらず、当該労働契約が更新又は延長さ
れずに離職した場合にはこれに該当するとさ
れています。

なお、労働契約において、当初から契約の更
新がないことが明示されている場合(すなわ
ち、労働契約において、「契約の更新なし」
など、更新がない旨が明示されている場合)
は、基本的にはこの基準に該当しないとされ
ています。

3 ご相談者の場合
結論からいいますと、ご相談様の場合、今回
の雇用契約終了の前までに、ご相談様が契約
を更新しない旨を伝えていないにもかかわら
ず、現在の派遣元がとの雇用契約終了の前ま
でに派遣元から次の派遣先の紹介をせず、雇
用期間が満了して雇用契約が終了した場合、
がないか、もしくは派遣元との雇用契約書に
記載された、次回更新に向けた意思表示の期
間までに、ご相談様から契約を更新しない旨
を派遣元に伝えられた場合など派遣元との雇
用契約が契約期間満了で終了した場合は、上
記の「特定理由離職者1」に該当すると判断さ
れるものと思われます。

逆に、派遣元が次の派遣先を紹介したにもか
かわらず、ご相談様がこれを断って雇用契約
を更新しなかった場合は、「特定理由離職者
1」に該当しないと判断されるものと思われ
ます。

また、今回の雇用契約終了の前までに、ご相
談様が契約を更新しない旨を伝えていないに
もかかわらず、派遣元からすぐに離職票をも
らわれても、待機期間なしで失業給付が受け
られるかと思います(特定理由離職者)。

さらに、派遣元との契約期間満了による終了
の場合に、派遣元から雇用契約を更新しない
旨の通知があった場合に、ご相談様の方から
更新を希望する意思表示をされた上で契約が
終了した場合や派遣元との雇用契約の途中で
派遣元からの契約打ち切り通知があった場合
は、会社都合による離職として「待機期間だ
けでなく失業給付期間の点でも有利になりま
す(特定受給資格者))に該当すると判断さ
れるものと思われます。

特定受給資格者又は特定理由離職者に該当す
るかどうかの判断は、受給資格に係る離職理
由により、公共職業安定所が行うものであり、
離職理由の判定は、「(1)事業主が主張する離
職理由を離職証明書の離職理由欄((7)欄)に
より把握した後、 離職者が主張する離職理由
を離職票-2 の離職理由欄((7)欄)により把握
することによって、両者の主張を 把握するの
みならず、(2)その際にはそれぞれの主張を確
認できる資料による事実確認を行った上で、
最終的 に安定所等において慎重に行います」
(前記「判断基準」)とされています。

いずれにしましても、派遣切りの場合の失業
給付については、ネット上で誤った情報が散
見されたり、厚生労働省なども統一的な情報
提供を行っていないことから、ご相談様の住
所地を管轄するハローワークで、十分に実情
を説明された上で、適切なアドバイスを受け
てください。

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(B)派遣法改正から3年、派遣労働者の皆様
へのアンケート・ネットを実施中

アンケート・相談窓口はこちら↓
http://haken2018.hiseiki.jp/

2015年9月に派遣法が改正され、大きく制度が
変わりました。今年10月には、改正派遣法施
行から3年を迎えますが、今の職場でこのまま
働けるのか、突然派遣先から切られてしまわ
ないか、派遣先に直接雇用してもらえるか−。

そのような疑問を一度、弁護士や学者にぶつ
けてみませんか? 皆様のご相談をお待ちして
おります。また情報の拡散にも、ぜひご協力
ください。

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