2018/03/22 18:00:00
  • 【非正規労働者の権利実現全国会議】Q.業務に意見を述べたら雇い止め…許されるのでしょうか?

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目次************
(A)寄せられたご相談に回答しました
(B)派遣労働者の皆様へのアンケート・ネット相談の実施中
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(A)寄せられたご相談に回答しました

【質問】
私は、大手派遣会社と雇用期間2ヶ月の雇用契約を締結し、更新を
繰り返して、物流・倉庫関係の会社に派遣されて約4年が経過しました。

私より先に派遣された労働者の就労期間が3年を経過することから、
3か月程度、派遣から業務請負に切り替わったことがありますが、
時期は忘れました。

平成28年12月に派遣元から雇い止めの事前通知をされ、派遣先にも
同じ内容の通知がなされました。

雇止めの理由は、私が派遣先で、(1)夏場にクリーンルーム内での
作業ができなかったこと、(2)昨年の秋頃派遣先の業務の一部変更に
ついて意見を述べたこと、でした。

しかし、(1)については、クリーンルーム内の作業は1日1~2時間
程度の付随業務ですが、私が毎日服用している薬と猛暑の影響で、
軽い脱水症状になりかけたことから、派遣先の上司に相談し、
上司の指示で夏場は別の作業をすることにしてもらいましたが、
秋からはその業務を再開しています。

(2)についても、その作業を拒否するということではなく、開始
前の説明時に改善の要望を伝えただけであり、派遣先の上司が
可能な範囲で対応し改善してくれたため円滑な作業ができる
ようになりました。

このような雇止めは許されるのでしょうか。

【回答】
1 有期労働契約の雇止めの効力について、労働契約法19条2号が
定めています。労働契約法は、有期労働契約の期間満了後も
「雇用関係が継続されるものと期待することに合理性が認めら
れる場合」で、「使用者の雇止めの意思表示に対して、労働者が
何らかの形で異議を唱えている」場合であって、雇止めに
「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められ
ないとき」は雇止めが無効になると定めています。

2 本件の雇止めの理由とされている、(1)(夏場にクリーンルーム
内での作業が出来ないこと)については、派遣先の上司の了解を
とっていたのですから、あなたには落ち度はありませんし、
(2)(業務の変更について意見を述べたこと)についても、作業を
拒否したわけではなく、改善意見を述べただけですから、それを
理由に不利益な取り扱いをすることは不当です。

よって、(1)(2)の理由だけでは雇止めをする「客観的に合理的な
理由を欠」いていると思われます。

したがって、派遣元とあなたの間の有期労働契約の雇用期間が
満了した後も「雇用関係が継続されるものと期待することに
合理性が認められる場合」には本件雇止めは無効となります。

ただし、あなたは雇止めの無効を主張するためには雇止めに
対して何らかの形で異議を述べておく必要があります。

3 「雇用継続の合理的な期待」があったといえるかどうかは、
業務の内容(臨時的、一時的なものか否か)、更新の回数、
勤続年数、更新手続がきちんとなされているか否か、継続
雇用を期待させるような使用者の言動があったか等の諸事情を
総合考慮して個々の事案毎に決まりますので、これらの事情に
ついて詳しく検討する必要があります。したがって、弁護士に
相談されるのがよいと思います。

4 また、途中3か月程度、派遣から請負契約に切り替わった
時期があったということですが、派遣のときと実態が全く
変わらないのに契約の形式だけが請負に変わったということ
であれば、「偽装請負」になります。

平成27年9月30日に施行された改正派遣法は、同日以降に
派遣先が派遣法の適用を免れる目的で派遣元との間で偽装請負を
した場合には、派遣先がその労働者に対して労働契約の締結の
申込みをしているとみなされて、偽装請負が終了した時点から
1年以内に労働者が派遣先に対して、派遣先との労働契約の
締結を承諾する旨を伝えることによって派遣先は直接雇用
しなければならないことになっていますので、偽装請負が
いつ終わったのかを確認して下さい。

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(B)派遣法改正から3年、派遣労働者の皆様へのアンケート・ネットを実施中

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2015年9月に派遣法が改正され、大きく制度が変わりました。
今年10月には、改正派遣法施行から3年を迎えますが、
今の職場でこのまま働けるのか、突然派遣先から切られてしまわないか、
派遣先に直接雇用してもらえるか−。

そのような疑問を一度、弁護士や学者にぶつけてみませんか? 皆様の
ご相談をお待ちしております。また情報の拡散にも、ぜひご協力ください。

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非正規労働者の権利実現全国会議(略称:非正規会議)
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