2018/01/27 12:28:22
  • 【非正規労働者の権利実現全国会議】健康診断の受診が有期雇用は交通費自費・有給扱い。この区別に問題は?

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目次************
(A)寄せられたご相談に回答しました
(B)【重要】ご相談される方は必ずメールアドレスをご記入ください
(C)派遣労働者の皆様へのアンケート・ネット相談の実施中
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(A)寄せられたご相談に回答しました

【質問】
健康診断の休暇および交通費について、現在の派遣会社では、
無期雇用(派遣元の正社員)は交通費支給・業務扱いで法定の健康診断を
受診できますが、有期雇用の社員は交通費自費・有給扱いでの受診と
なっています。この区別は問題無いものなのでしょうか?

【回答】
1 厚生労働省の通達では、労働安全衛生法で事業者に労働者の
一般健康診断の実施義務を課していることから、健康診断の受診に際して、
事業主が指定した病院までの交通費については、事業者が負担すべきもの
とされています。

また、同通達には、一般健康診断の受診に要した時間についての
賃金支払について、当然には事業者の負担すべきものではなく、
労使協議で定めるべきものであるが、労働者の健康の確保は、
事業の円滑な運営に不可欠な条件であることを考えると、受診に
要した時間を欠勤扱いにして、その分の賃金カットをするのではなく、
賃金を支払うことが望ましいとされています。

したがって、あなたの派遣元が無期雇用の社員(以下「無期社員」
といいます。)の健康診断につき交通費を負担し、受診に要した時間に
対し、業務扱いとして賃金を支給していることは上記通達の趣旨に
沿ったもので適切なものであるといえます。

2 一方で、派遣元があなたのような有期雇用の社員(以下「有期社員」
といいます。)に対しては、健康診断を受診しても、交通費が支払われず、
受診に要した時間を一方的に有給扱いにしてしまっており、あなたが
疑問を持たれている無期社員との間で「区別」が生じています。

そこで、この「区別」に対し、有期社員と無期社員の「労働条件」の
「相違」は、職務の内容等の事情を考慮して、有期社員にとって
「不合理」と認められるものであってはならないと定める
労働契約法20条が適用されるかどうかが問題になります。

(1)まず、厚生労働省の通達によれば、「労働条件」は、賃金や
労働時間等の狭義の労働条件のみならず、災害補償、服務規律、
教育訓練、付随義務、福利厚生等の一切の待遇を包含する
広義のものであるとされています。

健康診断は、「福利厚生」に関する労働条件であり、健康診断の
受診するためには、実際には病院までの交通費がかかり、受診の
ための時間を要しますから、健康診断の受診のために必然的に
生じる交通費の支給や受診に要する時間を業務扱いにするか
どうかも「福利厚生」に関する一切の待遇に含まれるものと考えます。

それにもかかわらず、派遣元があなたのような有期社員については、
交通費を支給せず、一方的に有給扱いにしてしまうことは、上記通達の
趣旨に反するだけでなく、労働契約法20条の「労働条件」に関して
「相違」が生じているといえます。

(2)次に、この「労働条件」の「相違」が「不合理」と認められるか
否かですが、無期社員と有期社員の業務の内容、業務に伴う責任の
程度、配置変更の範囲等の事情を踏まえて判断されることになります。

無期社員とあなたのような有期社員の間には、派遣先での業務内容に
相違がないということですので、業務内容に伴う責任の制度、派遣先
での配置転換の範囲も変わらないような場合には、あなたの質問した
「区別」は「不合理」な「相違」であるとして、交通費や賃金の請求が
認められる可能性が高くなります。

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(B)【重要】ご相談される方は必ずメールアドレスをご記入ください

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来年2018年10月には、改正派遣法施行から3年を迎えますが、
今の職場でこのまま働けるのか、突然派遣先から切られてしまわないか、
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そのような疑問を一度、弁護士や学者にぶつけてみませんか? 皆様の
ご相談をお待ちしております。また情報の拡散にも、ぜひご協力ください。

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非正規労働者の権利実現全国会議(略称:非正規会議)
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